サプリメントぐらし

あなたは私のビタミンC

あなたの顔認知はどこから?

私はカテコ中に舞台上から出席確認をされたときから。

顔認知というのは現場に通う人間だけの特権だと私は思う。その特権は1回や2回通う程度であったりイベントだけに参加するオタクには絶対に享受することは出来ない。そこそこの時間と現場の回数をこなしたからこその特権を私は以前より推しから貰い続けている。

初めて認知を貰ったのはかれこれ数ヵ月前のことだった。いつも通り舞台を楽しんだあと、カテコでなんとなしにぱちぱちと手を叩いていたらふいに推しと視線が合ったような気がした。推しはいつもカテコでは共演者と戯れるか2階席辺りをぼんやり眺めていることが多いので、突如向けられた視線に心底驚いたことを覚えている。恐らく視線が合った瞬間は1秒もなかっただろう。推しがぱちりと瞬きをした瞬間にはまたいつも通りぼんやりと2階に視線を向けていた。それでもその時の私にとってはひどく長い時間に思えたし、あの時の推しの瞳をこれからもずっと忘れないだろう。

勘違いだといわれたらその通りだと思う。*1それほどに些細な仕草だったし、対象が私だと決まったわけではない。ただの自惚れであるのかもしれない。いや自惚れに決まっている。だって私は推しに覚えられるようなことをした覚えはないのだから。

けれども推しはその後も出席確認をやめることはなかった。残念ながら出席確認といっても前方5列目くらいまでしか確認しないのだけどそれでもカテコ中にファンの姿を探して視線を彷徨わせることが増えた。1000人以上のキャパを持つ大きな会場でも地方の会場でも、逆に300程度の小さな劇場でも推しはファンを探す。


そうして見つける度とても満足げに頷いてみせるのだ。


その表情を見て喜ばないファンなどいるだろうか。いや、いまい。なにしろ自己満足だとばかり思っていた一方的な応援に彼は応えてくれたのだから。

ちなみに推しはあまり接触イベントを行わない。年に1回か2回くらいのものだろう。カレイベもバスツアーもFCイベントもしたことはない。私が推しを見るには舞台へと通う以外の方法はほぼなかった。

だからこの認知は紛れもなく現場に通った結果なのである。.5でもミュージカルでもストレートでも、大小関係なく通った結果があの満足げな頷きなのだとしたらこれほどに嬉しいことはない。茶の間には絶対に見ることの出来ないその表情は現場通いだけが見ることの出来る特権だった。


とはいえ私は決して認知が全てだとは思わない。認知がなくとも推しの演技が好きでファンをやっているし、推しのお芝居を通して最高の作品に出会えたときほど幸せなことはないと思っている。演技を通して推しの新たな一面を見られた日など心が躍るようだ。

でもだからこそ、カテコでしか見られない推しの表情に喜びを感じてしまうのかもしれない。演技のときに浮かべるものとは違うがあれもまた推しの表情のひとつ*2なのだから。

*1:後日、それが勘違いではなかったことが数少ない接触イベントにて発覚した

*2:最近は捌け際に手を振ったりにこりと笑って見せたりとカテコ芸が豊富になってきた